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ビリティスの歌 - 第二曲「髪」 (続き)

Et il me regarda d'un regard si tendre,
そしてとても優しく私を見つめたので、
Que je baissai les yeux avec un frisson
私は目を伏せた、ふるえながら。

この二行で第二曲の歌詞は終わる。
ドビュッシーはその先を音楽で暗示して見せた。ことばが終わったところから、ひそやかな音で。

この第四連にドビュッシーが付けた音楽をみてみよう。テンポは終始Lentoで、音はmolto pp, pp, ppと念入りに弱音が指定されている。曲の冒頭から半音階が続き、浮遊したような調性感は曲の終りまで続く。ビリティスの動悸のような、ピアノのこわばった響き。

しかし歌詞が終わったあとに、ドビュッシーはニ小節を書き加えた。逡巡するかのように音はフェルマータで引き伸ばされているが、少しずつ調性感を取り戻していく。そして最後の小節で、曲は協和音で解決される。録音によっては聞き取れないほど密やかな音で奏でられる、このただひとつの和音。ビリティスの生をかけた「諾」をほのめかすこの一音に、身震いするような感動を覚える。

*楽譜はカワイのフリーソフト「スコアプレーヤー」で聞くことができます。

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