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ドヴォジャーク 歌曲集「愛の歌」全曲

アントニーン・ドヴォジャーク (1841-1904)
04 /12 2015
これまで書きました通り、ドヴォジャークの歌曲集「愛の歌」は、若き日の原曲集「糸杉」全18曲から、8曲を抜粋して改訂したものです。今回原詩から全曲を訳し、さまざまな録音で聴いているうちに、ドヴォジャークの旋律の暖かい響きは、チェコ語の母音の多い滑らかな抑揚に根差していることを再認識しました。そのため。ことばと旋律の密接な繋がりを感じることができるよう、出来るだけ逐行訳とし、語順も近づけました。あまり演奏されることのない曲集ですが、ドヴォジャークの歌曲の代表作といえる名作です。どうぞお楽しみください

歌曲集「愛の歌」全曲

歌詞:グスタフ・プフレーガ・モラフスキー
作曲:アントニーン・ドヴォジャーク(1865年、24歳-編曲1887年)


第1曲「ああ、僕らの愛は」
Ó, naší lásce nekvete
ああ、僕らの愛は花開かない
to vytoužené štěstí:
待ち焦がれていた幸せには。
A kdyby kvetlo, a kdyby kvetlo nebude
たとえ花開いたとしても
dlouho, dlouho kvésti.
長くは咲いていない。

Proč by se slza v ohnivé
なぜ涙が浮かんだのだろう、
Polibky vekrádala?
熱いキスの最中に?
Proč by mne v plné lásce své
なぜこの愛に夢中の僕が
Ouzkostně objímala?
抱擁の最中に、不安になったのだろう?

O, trpké je to loučení,
おお、別れは辛い
Kde naděj nezakyne:
希望が見えないときは。
Tu srdce cítí ve chvění,
僕の心は震えながら感じる
Že brzo, ach, brzo bídně zhyne.
やがて、ああ、やがて恋が冷めてしまうと。

第2曲「これほど多くのひとの心に」
V tak mnohém srdci mrtvo jest,
これほど多くのひとの心に、死が宿っている
Jak v tem né pustině,
暗い荒地のように。
V něm na žalost a na bolest,
心には悲しみと苦しみ、
Ba, místa jedině.
それだけしかない。

Tu klamy lásky horoucí
恋の幻影が狂おしく
V to srdce vstupuje,
心に入りこむ、
A srdce žalem prahnoucí,
そして悲しむ心は渇え、
To mní, že miluje.
思う、これこそが愛なのだと。

A v tom-to sladkém domnění
その甘い幻想は
Se ještě jednou v ráj
天国にいるかのよう
To srdce mrtvé promění
死んだ心は変容して、
A zpívá, zpívá, starou báj!
歌いはじめる、古い物語を!

第3曲「ある家の周りを」
Kol domu se ted' potácím,
ある家の周りを僕はさまよう
Kdes bydlívala dříve,
そこはかつて愛しい人が住んでいた。
A z lásky rány krvácím,
そして愛ゆえに、僕はまだ血を流している
Lásky sladké, lživé!
偽りだった甘い愛に!

A smutným okem nazírám,
そして悲しげな眼で僕はみる、
Zdaž ke mně vedeš kroku:
僕の方へ君が歩んでくるのを
A vstříc ti náruč otvírám,
そして君に向かって僕は腕をひろげる
Však slzu cítím v oku!
しかし、目に涙が浮かぶだけ。

Ó, kde jsi, drahá, kde jsi dnes,
おお、君はどこにいる、愛しい君は今どこに、
Což nepřijdeš mi vstříce?
なぜ僕の抱擁に飛び込んできてくれないのか?
Což nemám v srdci slast a ples,
僕はもう心に喜びも高揚もないのだろうか?
Tě uzřít nikdy více?
二度と君を抱きしめることもなく。

第4曲「僕は知っている」
Já vím, že v sladké naději
僕は知っている、胸を高鳴らせながら
Tě smím přec milovat;
君に愛を打ち明けられることを
A že chceš tím horoucněji
そして君は熱い思いで、
Mou lásku pěstovat.
僕の愛を受け入れてくれることを。

A přec, když nazřím očí tvých
そして君の眼を見つめると
V tu přerozkošnou noc
この心地よい夜に、
A zvím jak nebe lásky z nich
僕は感じる、天が愛の力を
Na mne snáší moc:
僕に届けてくれるかのように。

Tu moje oko slzamí,
すると僕の眼は涙で曇り
Tu náhle se obstírá,
不意に眼を拭う、
Neb v štěstí naše za námi
なぜなら幸せな僕たちの背後で
Zlý osud pozírá!
邪な運命が見つめているから!

第5曲「静かな眠り」
Nad krajem vévodí lehký spánek
静かな眠りについている大地の上を
Jasná se rozpjala májová noc;
明るい五月の夜が広がっていった
Nesmělý krade se do listí vánek,
そよ風が葉々をそっと揺らし、
S nebes se schýlila míru moc.
空から静かな力が降りてきた。

Zadřímlo kvítí, poto-kem šumá
花々はまどろみ、小川のせせらぎに
Tišeji nápěvů tajemných sbor.
不思議な合唱の声がかすかに聞こえる。
Příroda v rozkoši blaženě dumá,
自然は至福の喜びに浸り、
Neklidných živlů všad utichl vzpor.
静けさを破るものは全て静まった。

Hvězdy se sešly co naděje světla,
星々は希望の光のように集まり、
Země se mění na nebeský kruh.
大地は天の一部へと変わる。
Mým srdcem, v němž-to kdys blaženost kvetla,
僕の心には、幸せが花開いていたのに、
Mým srdcem táhne jen bolesti ruch!
僕の心には、ただ沸き立つ苦しみだけが忍び寄って来る。

第6曲「小川のほとりで」
Zde v lese u potoka já
この小川のほとりで、僕は
Stojím sám a sám;
ひとり立ちつくす、
A ve potoka vlny
小川のさざ波を
V myšlenkách pozírám.
物思いしつつ見つめる。
Tu vidím starý kámen,
僕は古い石を見る
Nad nímž se vlny dmou;
その上に波がかかり
Ten kámen stoupá a padá
石は持ち上がり、沈み
Bez klidu pod vlnou.
波の下で安らぐことがない。

A proud se oň opírá,
やがて流れが石にかぶり
Až kámen zvrhne se.
ついに石は転がり去る。
Kdy vlna života mne ze světa
いつ生命の波は僕をこの世から
Odnese, kdy, ach, vlna života mne odnese?
運び去るのだろう、いつ、ああ、僕を運び去るのだろう?

第7曲「君の目の甘美な力に」
V té sladké moci očí tvých
君の目の甘美な力に、
Jak rád, jak rád bych zahynul,
僕は喜んで、喜んで死ぬ。
Kdyby mě k životu jen smích
生きていても何だろう、君の微笑む
Rtů krásných nekynul.
美しい唇が待っていなかったなら。

Však tu smrt sladkou zvolím hned
僕はためらいなく甘美な死を選ぶ
S tou láskou, s tou láskou ve hrdí:
この愛に、この心からの愛に。
Když mě jen ten tvůj smavý ret
ただ生きてみたい、君の微笑む唇が
K životu probudí.
命を目覚めさせてくれるならば。

「愛の歌」では、原曲集では4曲目のこの曲が最後に置かれている。ドヴォジャークはこの曲を恋する若者の「白鳥の歌」として再配置した。

第8曲「おお、愛しい人」
Ó, duše drahá, jedinká,
おお、愛しい人、ただひとり愛する人、
Jež v srdci žiješ dosud:
僕の心に生きつづけている人よ
Má oblétá tě myšlenka,
僕の思いは君をめぐる、
Ač nás dělí zlý osud.
邪な運命が僕たちを引き裂こうとも。

Ó, kéž jsem zpěvnou labutí,
おお、僕が瀕死の白鳥なら、
Já zaletěl bych k tobě;
君の許に飛んでいき
A v posledním bych vzdechnutí
最後の溜息をついて
Ti vypěl srdce v mdlobě.
息絶えながら僕の心を歌うのに。

A v posledním vzdechnutí
最後の溜息をつきながら。

*「歌う白鳥」を「瀕死の白鳥」と意訳した。

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ISATT

愛好する歌曲・カンタータの試訳集です。

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