デオダ・ド・セヴラック 歌曲「ミミズク」

デオダ・ド・セヴラック(1872-1921)
02 /14 2015
セブラックのボードレールの詩による唯一の歌曲です。

セヴラック 歌曲「ミミズク」

原詩 シャルル・ボードレール
作曲 デオダ・ド・セヴラック(1910年頃)



Sous les ifs noirs qui les abritent,
枝を拡げた暗いイチイの木陰に
Les hiboux se tiennent rangés,
ミミズクたちが並んでいる
Ainsi que des dieux étrangers,
異国の神のように、
Dardant leur oeil rouge. Ils méditent.
紅い眼を光らせるながら。彼らは瞑想する。

Sans remuer ils se tiendront
身動きせずに彼らはとどまる
Jusqu'à l'heure mélancolique
憂鬱の時が来るまで
Où, poussant le soleil oblique,
傾いた太陽が沈み
Les ténèbres s'établiront.
暗闇が辺りを覆うまで。
*tiendront直接法単純未来

Leur attitude au sage enseigne
彼らの態度は賢明なひとに教える
Qu'il faut en ce monde qu'il craigne
この世では用心しなければならない
Le tumulte et le mouvement;
暴動や騒乱を。
*craigne →craindre

L'homme ivre d'une ombre qui passe
過ぎ去る影に酔った者は
Porte toujours le châtiment
永遠に罰を背負う
D'avoir voulu changer de place.
違うところに行きたいと願ったことで。
*voulu→vouloir過去分詞(複合過去)

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ヴェルレーヌ、ボードレールといった、パリで活躍した作曲家たちがこぞって付曲した詩人を、セブラックも歌曲で取り上げている。しかし、セブラックは(その完成度にもかかわらず)、歌曲集を編んだり連作を作ったりすることはなかった。これら2つの作品でも、原詩の内容は、放蕩や放浪の挙句の「罰」であることは注目するに足る。

それにしても、ミミズクの鳴き声をピアノに写したこの鋭敏な耳と、その音階に乗って進むこの音楽!自然の物音から創られた音楽・・・ドビュッシーがセブラックの音楽に共感し激励したという有名なエピソードを、この曲は実感させてくれる。ごく自然に、それまでどの作曲家も出来なかったことを成し遂げて。

ドビュッシーも「潮騒の音階による歌曲」を書いたひとだった。
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