ドヴォジャーク 歌曲「それほど多くの人の心に」

アントニーン・ドヴォジャーク (1841-1904)
04 /29 2011
このポップの音源の二曲目からは、ドヴォジャークの歌曲集「糸杉」(全18曲)の抜粋。これは若き日のドヴォジャークが恋の思い出を歌った作品で、1865年7月に17日間の内に書き上げられたという。どれも忘れがたい名作で、この曲は生気を失った心が、恋によって生き生きとした心を取り戻していくさまを描いた、実に印象深い作品。特に最終廉の、ladkém domněníからはじまる恋の幻想を描いたくだりは、深く曇った空に次第に明かりが差していくような、いいようのない感動を覚える。

対訳をみながら聴いてみてください。曲想のうつろいと詩の内容が密接に連関していることを感じ取れると思います。

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歌曲集「糸杉」Cypřišeより

歌詞:グスタフ・プフレーガ・モラフスキー
作曲:アントニーン・ドヴォジャーク(1865年、25歳)

第三曲「それほど多くの人の心に」V tak mnohém srdci mrtvo jest
(5分8秒から)

V tak mnohém srdci mrtvo jest,
これほど多くのひとの心に、死が宿っている
Jak v tem né pustině,
暗い荒地のように。
V něm na žalost a na bolest,
心には悲しみと苦しみ、
Ba, místa jedině.
それだけしかない。

Tu klamy lásky horoucí
恋の幻影が狂おしく
V to srdce vstupuje,
心に入りこむ、
A srdce žalem prahnoucí,
そして悲しむ心は渇き、
To mní, že miluje.
思う、これは愛なのだと。

A v tom-to sladkém domnění
その甘い幻想は
Se ještě jednou v ráj
天国にいるかのよう
To srdce mrtvé promění
死んだ心は変容して、
A zpívá, zpívá, starou báj!
歌いはじめる、古い物語を!

mnohý=many, jest→být、něm..ono(srdce「心」)の三人称前置格、místa
vstupuje→vstoupit入る、prahnout喉が渇く、mnít古語→domnívat se「思う」
domnění幻想、ráj=paradise、proměnit..変える、変換する、báj..神話



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