瀧廉太郎 歌曲「納涼」

コンデジ(Olympus & Sigma)と日記
08 /30 2009
瀧廉太郎の「春」は、今でも学校で歌われているだろうか。あの歌を二部合唱でクラス一同で歌ったのは小学校の楽しい思い出て、いまだに春が来て桜並木の下を歩くとき、あの旋律が脳裏にうかぶ。

さてこの「春」という曲は、組歌「四季」(1900年作曲)の第一曲で、「夏」「秋」「冬」と組み合わされた四部作である。「春」以外の曲がほとんど知られていないのは、ほかの3曲がそれぞれピアノ付き独唱、無伴奏混声四部合唱、ピアノ・オルガン伴奏付き混声四部合唱と、まちまちなことが原因だろうか。しかしどれも佳曲ぞろいで、とくにこの「夏」(納涼)は忘れがたい。清新さ、独特の哀感のある旋律。

*カワイのフリーソフト「スコアプレーヤー」で聞くことができます。

瀧廉太郎が若くして亡くなった(23歳!)あとにも有能な作曲家は続々と現れたけれども、この「清新さ」を感じる作曲家は何人いるだろうか。それを思うと、本当に惜しい才能だったと思う。

夏の終りに、夏の情趣を楽しみつつ楽譜を作ってみた。忙しげなピアノの右手が浜辺の波しぶきのように見えてきて、自分も海遊びをしているような気分になった。いつか実演で聴きたい。「春」と同じく二部合唱に編曲して歌うのも楽しそうだ。

「納涼」
ひるまの暑さの なごり見せて
炎ぞもえたつ ゆふべの雲に
くれなゐ染めなす 入日のかげ
波間に落つるや 沖も暮れぬ
焼けたるまさご路 いつか冷えて
しほかぜ涼しく 渡る磯を

ものすそかかげて ひとり行けば
寄せ来る白波 足をおそふ
涼みに来しかひ 有磯海の
波にも戯れ 月に歌ひ
更けゆく夜さへ 忘れはてて
遊ぶも楽しや 夏の海辺

*漢字表記は一部変えました。

*楽譜は入手しやすい音楽の友社の「瀧廉太郎歌曲集」をもとにした。しかし明らかな誤植と不確かな箇所があって、別の楽譜を参照したいと思いつつまだ果たしていない。この音友の「歌曲集」は、「荒城の月」を山田耕作が原曲を勝手に改悪した編曲版で、しかもなんの注記もなく載せたり、合唱曲を他人の編曲で載せたりと、問題がある。

ISATT

愛好する歌曲・カンタータの試訳集です。