オペラ「利口な女狐の物語」組曲 1

クラシック音楽(以前のブログから)
03 /31 2008
オペラ「利口な女狐の物語」(1924年)

第一幕冒頭の舞台となるのは、モラヴィアの森の小村。夏の昼下がり、村はずれの峡谷。




第一幕前奏曲。夏の微風のような弦楽器の響きに乗って、さまざまな自然の物音が聞こえてくる。木々をわたる風の音、近づいてくる狐たちの足音。草叢にひそむ虫たちの鳴き声、虫を追う蛙。そこに森番が猟銃を肩にかけて登場。彼は草の繁みの上で一服して、そのまま寝入ってしまう。

オーケストラの木管楽器と弦楽器が、自然そのものになりきって聞こえる。音色に耳を傾けているだけで、森の中で呼吸しているかのような気分につつまれる、この不思議な序曲。「音楽そのものが自然と同じ素材とできている」(吉田秀和氏)と称される唯一無二のオペラが、こうして幕を開ける。

(演奏はヴァーツラフ・ターリヒ指揮、1954年の録音です。挿絵は原作小説から、森番がビストロウシュカを見つける場面。)



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愛好する歌曲・カンタータの試訳集です。