西園寺実兼 - とほつおきに あまたうかべる

コンデジ(Olympus & Sigma)と日記
05 /31 2007
風帆
遠つ沖にあまた浮かべる舟の帆の見えずぞなれる風変わるらし
西園寺実兼(実兼公集32)



西園寺実兼(1249-1322)は永福門院の父にあたる。また京極為兼のパトロンで、その和歌の有力な支持者だった。後に両者は政治的に対立して、ついに為兼は流刑地を転々して死ぬことになるが、京極派の歌は生涯支持した。

さて西園寺家は日宋貿易で巨富を積んだという。当主実兼も、湊に出入する貿易船を実見したことがあるのだろうか。泊地には順風を待つ船があふれていたが、待望の風が吹きだすと一斉に帆を上げて大海原に向かっていく、という歌。

波の上に臨みて待ちし唐国の昔の人の情けをぞ思ふ(実兼公集31)

泊地をみつめる実兼の思いは、遣唐使の昔にまで遡っている。かつて遣唐使は西園寺家の家芸である琵琶を招来した。湊に立ってその伝来をめぐる逸話や、今も正倉院に残る往古の琵琶に思いを馳せている実兼の姿を思わせる歌。



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