伏見院 - われもかなし くさきもなみだ

コンデジ(Olympus & Sigma)と日記
09 /30 2006
われもかなし草木も心いたむらし秋風ふれて露くだるころ  
伏見院 (玉葉集463)
「私も悲しい、草木も悲傷の思いでいるようだ。秋風が草木にふれて露がくだるころは」

伏見院(1265-1317)は第92代の天皇で、父・叔父が分立した持明院統、大覚寺統のうち前者の最初の天皇。前後2回、計18年の間治世にあったが、両統の対立にあって失意と雌伏の時期もあった。東宮時代の廷臣に京極為兼、源具顕らがおり、その影響を受けて中宮の永福門院とともに「京極派」と呼ばれる歌壇を結成した。写実を重んじながら歌柄の大きく、情緒豊かな作風で知られる。

萩の花(向島百花園にて)

「われもかなし」と序奏なしのプレストで歌いだし、「草木も心いたむ」とたたみかけていくこの疾走する悲しみのなかにいる作者には、秋の自然のなかで風になびき、露を落とす草木も嗚咽し涙を流しているように見えたのだろうか。




ISATT

愛好する歌曲・カンタータの試訳集です。