マヌエル・デ・ファリャ 歌曲集「三つの旋律」3

マヌエル・デ・ファリャ(1876-1946)
01 /12 2015
歌曲集「三つの旋律」

原詩 テオフィル ゴーチェ
作曲 マヌエル・デ・ファリャ (1909年)

第3曲は、ファリャの故郷、スペインの民族舞踊「セギディーリャ」のリズムに乗った作品。本来はギターやカスタネットの伴奏で歌い、踊られるそうですが、変幻自在なピアノに写したファリャの名人芸に注目!これは女声が映える曲です。

3.「セギディーリャ」Séguidille


Un jupon serré sur les hanches,
彼女のスカートは腰にからみ、
Un peigne énorme à son chignon,
巻いた髪には大きな櫛。
Jambe nerveuse et pied mignon,
活発な膝上に、可愛い膝下。
Œil de feu, teint pâle et dents blanches:
きらめく瞳に蒼い顔色、そして白い歯、
Alza ! olà !
アルザ!オラ!
Voilà
見てごらん、
La véritable Manola.
ほんもののマドリッドの町娘さ!

Gestes hardis, libre parole,
派手な身振りで、ずけずけと話し
Sel et piment à pleine main,
手に負えないじゃじゃ馬ぶり(直訳「手に一杯の塩とトウガラシ」)
Oubli parfait du lendemain,
何につけてもサバサバとしてる
Amour fantasque et grâce folle:
気まぐれな愛と、荒っぽい気品、
Alza ! olà !
アルザ!オラ!
Voilà
見てごらん、
La véritable Manola.
ほんもののマドリッドの町娘さ!

Chanter, danser aux castagnettes,
彼女はカスタネットの伴奏で歌い、踊る
Et, dans les courses de taureaux,
そして、闘牛を見ながら
Juger les coups des toreros,
闘牛士の一撃を品定め、
Tout en fumant des cigarettes:
煙草を吹かしながら。
Alza ! olà !
アルザ!オラ!
Voilà
見てごらん、
La véritable Manola.
ほんもののマドリッドの町娘さ!
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マヌエル・デ・ファリャ 歌曲集「三つの旋律」2

マヌエル・デ・ファリャ(1876-1946)
01 /03 2015
歌曲集「三つの旋律」

原詩 テオフィル ゴーチェ
作曲 マヌエル・デ・ファリャ (1909年)

2曲目はうって変わって、描かれるのは清朝の磁器に描かれた中国の美女。簡潔なピアノの伴奏が中国趣味を盛り上げる佳曲です。特にこの第四詩節の素晴らしさ!短い序奏からPar son treillis elle passe sa tête,/ Que l'hirondelle, en volant, vient toucher, からの描写!磁器のなかに描かれた世界から、東洋の香しい風が吹いてくるような思いがしませんか?  

2. 「中国風」Chinoiserie
(2分50秒から)


Ce n'est pas vous, non, madame, que j'aime,
貴女ではありません、いいえ、マダム、私が愛しているのは。
Ni vous non plus, Juliette, ni vous,
いいえ、ジュリエットよ、 貴女でもありません
Ophélia, ni Bétrix, ni même
オフィーリアでもベアトリーチェでも、まして
Laure la blonde, avec ses grands yeux doux.
ブロンドのロール、美しい大きな目の女でもありません。

Celle que j'aime à présent, est en Chine;
私が今愛しているひとは、磁器のなかにいます。
Elle demeure, avec ses vieux parents,
彼女は年老いた両親とすんでいます。
Dans une tour de porcelain fine,
肌理の細かい磁器の塔のなかに
Au fleuve Jaune, où sont les cormorans;
鵜の住む黄河のほとりで。

Elle a des yeux retroussés vers les tempes,
彼女は上目づかいに見上げていて
Un pied petit, à tenir dans la main,
纏足は、掌におさまるばかり
Le teint plus clair que le cuivre des lampes,
顔色は銅のランプよりも明るく、
Les ongles longs et rougis de carmin;
長い爪は深い紅色をしています。

Par son treillis elle passe sa tête,
木の格子から彼女は頭を出すと
Que l'hirondelle, en volant, vient toucher,
燕が飛び、かすめていきます
Et, chaque soir, aussi bien qu'un poëte,
そして、毎夕、まるで詩人のように
Chante le saule et la fleur du pêcher.
彼女は柳と花咲く桃の木について歌います。

マヌエル・デ・ファリャ 歌曲集「三つの旋律」1

マヌエル・デ・ファリャ(1876-1946)
01 /02 2015
バレエ音楽「三角帽子」や「恋は魔術師」で知られるスペインの作曲家ファリャは、4曲のフランス語歌曲を残しています。そのなかでこの「三つの旋律」はフランス滞在時代に書かれた作品ですが、同時代のフランス人作曲家に伍して全くひけを取らない、素晴らしい作品です。伸びやかな旋律にからみあう、このマジカルなピアノの書法!ぜひスコアを見ながら聴いてみてください。原詩の天駆ける幻想が目に浮かんできます。

歌曲集「三つの旋律」

原詩 テオフィル ゴーチェ
作曲 マヌエル・デ・ファリャ (1909)

1.「白鳩の群れ」Les colombes 


Sur le coteau, là-bas où sont les tombes,
丘の上、墓石の並ぶ斜面に
Un beau palmier, comme un panache vert
美しいヤシの木があり、緑の羽根飾りのよう。
Dresse sa tête, où le soir les colombes
木はすっくと立ち、夕べには白鳩の群れが
Viennent nicher et se mettre à couvert.
やって来る、ねぐらで安らぐために。

Mais le matin elles quittent les branches;
けれど朝には白鳩たちは枝を飛び立つ
Comme un collier qui s'égrène, on les voit
糸の切れた首飾りのように、それは見える
S'éparpiller dans l'air bleu, toutes blanches,
青い空に散っていった、純白の鳥たちは
Et se poser plus loin sur quelque toit.
羽根を休める、さらに遠くのねぐらで。

Mon âme est l'arbre où tous les soirs comme elles,
私の魂はあの木のよう、毎晩、白鳩たちのように
De blancs essaims de folles visions
白く狂おしい幻想の群れが
Tombent des cieux, en palpitant des ailes,
天から降りてくる、翼を震わせながら。
Pour s'envoler dès les premiers rayons.
そして飛び立つ、曙の光が差す時に。

ソプラノ版;

ISATT

愛好する歌曲・カンタータの試訳集です。

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